COVID-19の後遺症についての考察
1.PCR検査で陰性となってCOVID-19ウイルスが駆除されたにもかかわらず、何故心身の不調となるのか?
Tweet(@tpsato):①2020/11/26、②~⑪2/13、⑫2/15、⑬~⑮2/17、⑯2/20、⑰2/21、⑱~⑲2/22、
・COID-19ウイルス→ACE2と結合(ACE2発現細胞内に侵入して増殖:肺、消化器系、心臓、動脈、腎臓)→ACE2作用(AngⅡをAngⅠに転換してAngⅡの増加を抑制)↓→AngⅡ↑・ACE2発現臓器障害→COID-19の後遺症
・mRNAワクチン→ACE2遺伝子全体を含むmRNA→ACE2・蛋白→マクロファージの取り込みと提示→抗COVID-19免疫系活性化→抗体↑(COID-19と結合・ACE2発現細胞への侵入確率↓)&感染細胞の破壊→COID-19感染症状↓(21/06/15 ネット検索情報のまとめ)
2.CA-IIの活性低下となる低亜鉛血症の諸症状では無いのか。
炭酸脱水酵素は亜鉛と結合することによって酵素活性を約100万倍に高めることが出来るものなので、低亜鉛血症の場合には以下の事柄が想定されます。
①CA-Ⅱ型:この細胞膜と結合している型の酵素は赤血球や腎臓の近位尿細管に存在し、CO2+H2O←→H2CO3←→H+ + HCO3-の反応速度を高めており、この反応が右に進むことによって様場合中の分子数が2倍となり局所的な浸透圧上昇を引き起こすと同時にO2に富んだ溶液流が起こることになります。すなわち、呼吸器と循環器系においてはCO2の処理速度に関係しており、CA-IIの活性低下は息苦しさとアシドーシス傾向を招来すると考えられます。また、腎臓の近位尿細管ではCA-IIの活性低下によって局所浸透圧勾配が低下して等張再吸収の能率が低下し、それによって亜鉛等のイオンの再吸収量が減少して低亜鉛血症発現の遠因になると想定されます。
②CA-Ⅵ型:この酵素は分泌型のもので、唾液や胃液の分泌に関わっています。唾液中にもこの酵素が含まれていますので、小生が創案した唾液測定法ではΔpHiの低下としてその傾向の増減を捉えることが出来ます。その知見から、この酵素活性の低下は胃酸による食物中亜鉛のイオン化と吸収の妨げとなることから低亜鉛血症の主要な原因となると考えています。
また、一旦CA-Ⅵ型の活性低下によって低亜鉛血症の状態に陥った場合には、通常の食事からの亜鉛摂取は不足するためにそこからの回復は困難となるので体調不良が長期化することとなります。この状態が想定された方には亜鉛含有量の多い食品の摂取割合を約20%増やすことと、食物をよく咀嚼して食物の表面積を増大させて吸収率を上昇させる様にしてから嚥下する様にとアドバイスし、そうして血清亜鉛濃度の上昇と体調改善の様子を平成23年から30年まで月毎の測定を青森市の某心療内科医院で合計571回行いました。この内科医院の院長と私は、共に日本炭酸脱水酵素研究会の会員です(本会は現在活動停止中)。
③現在までにCA-XV型まで報告されていますので、上記二種類の活性低下で説明できない部分については今後の研究に待たなければなりませんが、本稿が現在問題となっているコロナウイルス後遺症の治療に低亜鉛血症についての観点を取り入れる端緒にして頂ければ幸甚と存じますし、後遺症で苦しむ期間の短縮に貢献できればと願っております。
この考えを支持する文献・資料:文献①:International Journal of Infectious Diseases Volume 100, November 2020, Pages 230-236. Analysis of the predictive factors for a critical illness of COVID-19 ・・、文献②日本習慣病予防協会→新型コロナウイルス対策-亜鉛の有用性に関するエビデンス ここの頁の末尾にはコロナウイルス患者についての血清亜鉛の分析結果、治療結果についての国内外の報告が詳細に記述されています。③ 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会・金沢医科大学研究グループによる調査。④ 日本耳鼻咽喉科学会(COVID19)。
3.血清亜鉛濃度分析を施行してくれる医療機関と症例:
①:青森市内の某介護施設で発生したクラスターの一人となり昨年12月24日~本年1月13日まで青森県立中央病院コロナ病棟に入院した方(51歳)が某心療内科医院に2月2日に来院しました(R01/5月より通院中の方)。呼吸時の前胸部痛、強度の全身倦怠感を認め同日より3月1日まで自宅休養としました。(ウイルス感染症後遺症の診断書を出しております)本日(3/2) 血清亜鉛、コルチゾールの採血を施行しました。
②血清亜鉛 93㎍/dl(80-130). Cortisol 10.9 ㎍/dl (7.07-19.6)で低亜鉛血症以外の原因での体調不良であり、感染後にDM発症とのことであった。