1978年5月21日献堂
 
四ツ家教会使徒信条ステンドグラスの解説

 
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ステンドグラス番号配置

使徒信条を表す14枚のステンドグラス(聖堂内より望む)
 制作者: Jost Blöchliger (Jul. 11 '1934- Mar. 6 '1989)、聖堂設計者のオーバー ホルツァーさんの友人
 
1−2:天地の創造主。全能の父である 神を信じます。
1.天地の創造主:○は、神は完全、あるいは世の完成を象徴。外への線は神の導き、三色の青は三位一体、そして青色は宇宙を表す。金色は神への栄光、手のひらは慈愛に満ちた神の主宰と摂理、掌で司る神を象徴している。
2.全能の父である神を信じます:神の似姿、宇宙の王である人間。青空に星、月、昼、夜、季節、水、魚、緑(果物)、動物、人間(アダムとイブの一致)などを描写している。
 
3.父のひとり子、わたしたちの主、イエス・キリストを信じます飼い葉桶(木製のX状の台、ルカ2・7)に寝かされているキリスト(○)に、星に導かれて(マタイ2・9)やって来た三人の占星術の博士が黄金・もつやく・乳香を贈った(マタイ2・11)。
 
4.主は聖霊によってやどり神の栄光(○)を現すキリスト(Χ、Pはギリシャ語の「キ」と「リ」)が受肉し(黄色からオレンジ色への変化)、地上に現れることの前兆。
 
5.おとめマリアから生まれ鳩は聖霊のシンボル(ルカ3・22)で受胎告知(ルカ1・35、”聖霊があなたに降り”)を暗示し、マリアはこれを承諾(ルカ1・38、”お言葉通り・・なりますように”)したことの表現。
 
6−7:ポンティオ・ピラトのもとで苦しみを受け、十字架につけられて死に、葬られ、
6.ポンティオ・ピラトのもとで苦しみを受け:「杯」は最後の晩餐でのキリストの言葉を暗示している(1コリント11・26):あなた方はこのパンを食べ、この杯を飲む毎(ミサ)に(主が再び来られるまで)主の死を告げ知らせる”)
7.十字架につけられて死に、葬られ:昼の12時になると太陽が沈んだ(マルコ15・33)。十字架の苦しみの極致まで全てを捧げ(赤色)、神の救いを成し遂げられた。頭を垂れ、息を引き取られた(ルカ23・45-46、”父よ、わたしの霊を御手にゆだねます”)。
 
8.陰府に下り、三日目に死者のうちから復活し三日目に墓石の蓋が開き、死に打ち勝って復活したことを、昇る太陽、油壺・その上につぼみと新芽のシンボル(ルカ24・1)で象徴的に描かれている。
 
9.天に昇って、全能の父である神の右の座に着き、生者と死者を裁くために来られます父(向かって右側の青色の○)の右に座すキリスト(十字架と五つの点)の御傷による癒し・許しを信じます(1ペトロの手紙2・24、イザヤ53・5を参照)。
 
10−12:聖霊を信じ、聖なる普遍の教会、聖徒の交わり
10.聖霊を信じ:炎のような舌が分かれて現れ、一人一人の上に留まった(使徒行録2-3)。茶色から赤色への変化は、情熱、聖霊を豊かに注がれたことを象徴。
11.聖なる普遍の教会:聖霊は教会の魂として生きており、聖伝と聖書に基づいて民を教え、聖化し、統治する任務を引く継ぐ(鍵)。
12.聖徒の交わり:あなた方はキリストの体である(1コリント12・26)。左上の○(キリスト)を中心として全人類を円満な幸福で満たす。右下の金色への変化は致福への導きと充足を現す。
 
13−14:罪の許し、体の復活、永遠のいのちを信じます。
13.罪の許し、体の復活:下部に描かれた洗礼の水(ヨルダン川)により、暗闇と欲望の鎖が破られ、心は光り輝き(ろうそく)、潔白・美しくなり、栄光が公に現れる。
14.永遠のいのちを信じます:救いは全宇宙の隅々まで及ぶ。天と地を結ぶ虹。ノアの箱船の時代に、洪水の終わった印としてハトが運んだ月桂樹は神の許しと平和が徹底的でかつ永遠であることの証拠。魚(典礼聖歌170の歌詞参照):初代キリスト者は永遠の宴に呼ばれている嬉しさを魚のご馳走に例えた(迫害の時代、キリスト者の暗号でもあった)。
 
※全体の流れ:青色(空)→橙色・赤色(人間、肉)→金色(栄光)を象徴している。