被験者に水、食塩水、ブドウ糖(グルコース)液の負荷を与えて、尿量と比重の変化を測定し、体液浸透圧、細胞外液量を調節する機構を考える。
*前準備:1)質量濃度、容量濃度、モル濃度(mol/l、重量モル濃度:mol/kg)、規定濃度(g当量/g)などの表し方とそれぞれの利点、2)密度とは何か?比重とは何か? 3)Osm、mOsm、mOsm/kg・H2Oとはどのような単位か? 4)プリズムとは何か? どのような働きがあるか? 5)光が異なる物質へ入射する時に屈折するのは何故か? 入射角、屈折角と光の速さの関係を求めよ。6)比重計の動作原理と使用方法、7)吸収される水はどのような経路で血管に入るのか?
8)ネフロンの構造と機能、9)水は腎臓の何処で、どのような状態で、どれだけ吸収されるか? 10)アルドステロンの分泌部位、分泌刺激となるもの、作用部位、作用機序、11)バゾプレッシンの分泌部位、分泌刺激となるもの、作用部位、作用機序、12)糸球体傍細胞の働きとレニン−アンジオテンシン系について、13)体内に入る水と体外へ排出される水の割合、14)水の再吸収される量とその割合、15)腎血流量とクリアランス、16)カフェインの作用(Na再吸収↓→水の排泄↑)とその作用部位(輸入動脈の拡張↑→原尿↑)。
*尿の量と比重、血圧の測定:1)被験者3名(数時間前からコーヒー、お茶、水などを飲まないこと)、2)それぞれ水、食塩水、ブドウ糖液おのおの500 mlを作成、3)以下の要領で尿を採取し、メスシリンダーと比重計(ユリコーンS)で尿量と比重を測定する。
1)先ず、被験者はトイレに行き全ての尿を排泄し、尿量と比重を測定する。
2)20分後もう一度トイレに行き全ての尿を排泄し、尿量と比重を測定する。
3)血圧をデジタル血圧計で測定する。
4)水分摂取(被験者それぞれが、水、食塩水、ブドウ糖液 300-500 ml を開始し、数分以内にすべてを飲み干す。
5)水分摂取後、5, 35, 55, 75, 95, 115, 135, 155, 175, 195, 215, 235 分にデジタル血圧計で血圧を測る。
6)水分摂取後、20, 40, 60, 80, 100, 120, 140, 160, 180, 200, 220, 240分後に尿量と比重を測定する。
7)左縦軸に尿量、横軸に時間のグラフを作成する。
8)左縦軸に比重、横軸に時間のグラフを作成する。
9)7)のグラフを作成後、同じグラフ用紙上jに右側に血圧を示す縦軸を記入し、横軸を共通した時間軸のグラフを作成する。
問1:尿量と比重はどのような関係にあるか?
問2:水分摂取によって、血圧は変化するだろうか?
問3:水、ブドウ糖液、食塩水負荷で尿量に差違はあるか、あればその原因は何か?
問4:水負荷の場合は摂取された水(300 ml)は何時間でほぼ完全に排泄されるか?
問5:腎臓で尿は毎分どれくらい産生されるか?
問6:水、食塩水、ブドウ糖液は同じように小腸から吸収されるのか?
問7:摂取した塩と水の貯留、高血圧の関係を考察せよ。
・傍糸球体装置(緻密班細胞):原尿のCl-濃度低下 or 血圧低下→(アデノシン産生↑→輸入細動脈の拡張→)レニン分泌↑→Na+再吸収↑→原尿のCl-濃度低下
or 血圧低下の解消