・前準備:1)アイソレーター、2)矩形波刺激の持続時間、3)極興奮の法則、4)刺激電極の大小の差違、5)閾膜電位と閾値、6)神経線維の太さと閾値の関係、などについて調べておくこと。
・電気応答の記録:1)3個の電極を使用して記録する理由。2)単極導出、双極導出とは何か。3)電極糊を使用する理由。4)較正電圧で測定器を点検する理由。
・生理学の基本知識:1)筋紡錘の構造と機能、2)Group Ia線維の起始・停止と機能、3)Group II線維の起始・停止と機能、4)Group
Ib線維の起始・停止と機能、5)α運動細胞の細胞体の位置と支配する筋の種類、6)γ運動細胞の細胞体の位置と支配する筋の種類、7)興奮収縮連関、8)コリンエステレースの存在部位と役割、9)骨格筋の種類と役割、10)骨格筋の種類と支配神経の性質、11)
10)の運動神経細胞とシナプスを作る筋紡錘の感覚神経、12)レンショウ細胞の性質(EPSPの持続時間、レンショウ抑制)、13)活動電位がall
or noneであることの意味、14)伸張反射、屈曲反射とは何か。
*誘発筋電図の測定:
A)単発刺激による誘発筋電図:1)H波と出現とその刺激電圧、2)M波の出現とその刺激電圧、3)M波とH波の振幅がほぼ等しいときの刺激電圧、4)H波の最大振幅の応答とその刺激電圧、5)H波が消失した時点の応答波形とその刺激電圧。
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問:1)M波・H波とは何を記録したものか、2)刺激強度を増大させるとM波・H波の振幅が増大するのは何故か、3)刺激強度を増してもH波の潜時が変化しないのは何故か、4)刺激を強くするとM波には潜時の異なる成分が出現するがその理由は?、5)M波とH波の潜時が異なるのは何故か、6)M波の振幅が増大するにつれてH波の振幅が減少するのは何故か、7)H波が二相性でもM波が複雑な波になるのは何故か、8)H波の消失はM波の速い成分と遅い成分のどちらに関係しているか。
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B)2発刺激による誘発筋電図(M波が記録されずH波のみが記録される場合)
・実験前に調べておくこと:1)絶対不応期と相対不応期、2)後過分極(活動電位発生時の)、3)レンショウ抑制(反回抑制、gly.、[ACh-E]↓→繰り返し興奮→強い抑制効果)、4)後シナプス抑制と前シナプス抑制。
・電気応答の記録とデータ処理:1)単発刺激でH波が明瞭にかつ繰り返し記録できる刺激強度を選定、2)刺激装置を2発刺激モードにセットし、刺激間隔1, 3, 5, 7, 10, 15, 20, 50, 100, 200, 500 msecおよび1 secで刺激して応答を記録、3)2発目の刺激で得られた応答が1発目の応答の何倍(%)であるかを計算、4)3)で求めた値をグラフに描く。
問:1)これらの現象は空間的加重と時間的加重のどちらによって生じたものか。 2)一般に、刺激間隔が数msecでは100%以下になる。この現象を神経解剖生理学的に説明せよ。
3)一般に、10 msec近辺で100%以上になる。この現象を神経解剖生理学的に説明せよ。 4)一般に、20〜100 msecでは100%以下になる。この現象を神経解剖生理学的に説明せよ。
5)しばしば100〜500 msecでも100%以下になる場合がある。この現象を神経解剖生理学的に説明せよ。 6)この実験は細胞外電位記録をしたものであるが、α運動細胞(前角運動神経細胞)の細胞内電位が推定できることを説明せよ。
筋電図 (E1ectromyogram, EMG)には、筋組織内に針電極を刺入して神経筋単位(Neuromus-cular unit, NMU)から直接的に誘導する方法で記録したものと、筋組織を覆う皮膚表面から筋活動を間接的に誘導する方法で記録したものがある。前者の誘導法は1個の運動ニューロンとその支配する筋線維群の活動を記録するために用いられ、後者の誘導法は比較的広範囲の筋活動を皮膚表面から記録する目的で用いられる。
注:強刺激ではM波がF型応答とS型応答の複合形になることに注意。H波はF型成分の応答のように思われる。
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